上がり燈籠修祓

上がり燈籠

室町時代より続く山鹿燈籠奉納神事

上がり燈籠石段下

 
 「上がり燈籠」とは、毎年8月16日の午後10時、氏子町内や篤志家の企業、団体が山鹿燈籠を奉納する神事であり、燈籠祭の中で最も重要な神事のひとつです。
 
 上がり燈籠の起源は古く、室町時代応永年中にはすでに執り行われていた記録が残っています。以来、約600年の間、安寧への祈りとともに、伝統を受け継ぎ、祭りの起源を今に伝えています。
   上がり燈籠で奉納される山鹿燈籠はまず、4月下旬に関係者参列の中、無事制作が行われるよう祈る燈籠制作開始祭から始まります。燈籠師(燈籠制作者)の卓越した技術と精魂を込めて制作された奉納燈籠が無事制作されますと、8月15日に各奉納団体の奉納台に美しく飾られます。    その後、16日夜まで市内各所にて展示され、同日午後10時、奉納燈籠は町衆の「ハーイとうろう、ハーイとうろう」のかけ声の中、次々と大宮神社に担ぎ込まれます。一番燈籠は三味線に先導された上市町。午後10時を期して楼門をくぐります。    ご神前で献灯の儀(おはらい)を執り行い、無事奉納された山鹿燈籠は本殿裏手の神苑に並べられます。神社の杜で明かりに灯されて浮かび上がる山鹿燈籠で、まさに幽玄の世界が広がります。また奉納団体の人々は同じ神苑で直会(祝宴)を開きます。

 

 午前零時、「下がり燈籠」と称し、神社の太鼓の合図で奉納燈籠は全て神社境内の燈籠殿に納められ、その年の祭りも終演を迎えます。    この「上がり燈籠」こそが、燈籠祭の最大のクライマックスであり、神さまへ日頃の安泰に対する感謝とこれからの益々の平安・弥栄が祈られる祭の真髄です。これを見ずして燈籠祭は語れません。
 

上がり燈籠修祓全体